膜を元気にしよう‼

 先日、STOTT PILATES®の資格更新のために、「膜・筋膜にフォーカスした初級マットワーク」というワークショップを受講しました。

 私が、「筋膜」について勉強を始めたのは、STOTT PILATES®としては日本で初めて開催された「Fascial Movement Instructor Course」を受講した3年前の夏です。

 すでに「筋膜」という言葉は健康番組などでも盛んに取り上げられていたので、「乗り遅れた流行に、そろそろ乗ってみるか…」というくらいの軽いノリで出かけました。

 そこで、驚天動地。出会ったのが、「Fascia(膜)」という新しい言葉でした。その時のテキストには、『アナトミートレイン』で有名なトーマス・マイヤース氏の、「私たちのFascia系は妊娠約2週間で発達し始める。そして他の構造が成長するときの足場となる。」という言葉が引用されています。

 これはどういうことかというと、「『筋膜』なんてせいぜい飴の包み紙のようなもの」と勝手に思い込んでいたところに、「いやいや、『包み紙:Fascia(膜)』の方が、『飴:筋肉』より先にあって、その『包み紙:Fascia(膜)』を足場のようにして『飴:筋肉』が形作られていくので、『包み紙:Fascia(膜)』は『飴:筋肉』全体にいきわたってネットワークをつくっているのだ。」と言われたわけです。「それって、今まで私が思っていた飴とも筋肉とも、全然違うんですけど…」と戸惑いますよね。

 「日本整形内科学研究会」というところのホームページを見ると、「2012年時点において、Fasciaの定義は国際的にも議論が続いています。」とあり、「日本整形内科学研究会」としては、2019年4月時点で、次のように定義するとしています。「医学用語としての「fascia」の定義:ネットワーク機能を有する『目視可能な線維構成体』。ここでいうネットワーク機能とは、各組織や器官を繋ぎ・支え、知覚することです。Fascia(ファシア)には、筋膜Myofasciaに加えて腱、靱帯、神経線維を構成する結合組織、脂肪、胸膜、心膜など内臓を包む膜など骨格筋と無関係な部位の結合組織を含みます。そして、その線維配列と密度から整理されます。」(https://www.jnos.or.jp/for_medical

 難しいことはよく分かりませんが、「Fascia(膜)」は、流行遅れどころか、まだまだホットな話題のようです。

 「Fascia(膜)」の定義は置いておくとして、STOTT PILATES®の講習を通じて、「Fascia(膜)」は全身に張り巡らされた、力や情報(感覚)の伝達システムであり、さまざまな刺激・ストレスに応じて変化するものらしいということくらいは理解できました。

 「Fascia(膜)」が元気になれば、全身が元気になり、動きも良くなることは、間違いなさそうです。そのためには、「Fascia(膜)」が元気になるような刺激を与えればいいということも。

 その刺激が何なのか、ピラティス・インストラクターとして何ができるのかということを、これからも考え続けていきたいと思っています。

 今回のワークショップでは、そのヒントをたくさんいただきました。

『アナトミー・トレイン』より(www.anatomytrains.comを参照ください。)